2015年5月6日水曜日

機械、道具、それらについて色々と思うこと

旋盤を導入してから、いつのまにやら半年が経過しました。

少し前、えぬむらさんからリクエストを頂きましたので、ちょっと文章が長くなりますが

僕が使っている機械や道具についての簡単な紹介と、今まで使ってみての感想等を書いてみようと思います。

ただし、あくまでも僕の主観に基づいた感想であり、人によっては全く違うことを感じる場合もあるであろう事を

お断りしておきます。




まずは旋盤について。旋盤市場さんの、PSL-400VDRという機種です。

イメージ 1

現在、ホビー用ミニ旋盤として市場に出回っている物は、一部を除いてほとんどが中国製です。

この機種も中国のメーカーのOEM製品だと思われます。

ネットでちょっと検索をかけると色々と情報が出てきますが、どうも中国製の旋盤は

(当り外れもあると思いますが)工場から出荷されてきた状態ではまともに使えない物が多く、

実用に耐える状態にするために結構な手間をかけている方がたくさんいらっしゃいます。

そんな中、この機種の購入を決めたのは

① ジブ研磨等、最低限でも手を加えてある割には安価
② 400mmという心間距離
③もう少し高価な整備済みの機械であっても、結局は調整、改良が必要

の三点が理由です。

①についてはこの通りですね。ジブ(刃物台のスライドの調整用の金具)の研磨調整は、

初めて旋盤に触る人間にとってはちょっとハードルが高く感じました。

②について、心間距離とは、旋盤の主軸側と心押し台にセンターを取り付けて、

その先端の間を測った場合の最大距離を言います。ザックリ言えば旋盤のサイズですね。

ただし心間が400mmあるから400mmまでの長さの被削物が加工できるかというとそうではなく、

実際には250mm~300mm弱あたりまでです。

さらに被削物を中空にする場合は、そのぶんの長さのバイトをセットする必要がありますので

がんばっても150mmくらいが限界でしょう。(この記事の9枚目の写真を見てもらうと分かりやすいと思います)

ライトセーバーの全長が約300mm前後、いくつかのパーツに分割するにしても

長さが80mm~100mm前後のパーツが多くなるはずなので、

旋盤の心間距離は最低でも300mm、大きければ大きいほど良い、と思いました。

でも、この旋盤より1ランク上の機械となると値段も重量も跳ね上がるので、

サイズと価格、重量のバランスを考えました。

③ついて、これは機械工作系の掲示板で見つけた書き込みから知りました。

趣味としての機械加工を長くやっているその方は、

「機械にはどのみち手を加えて改良、調整するのが当たり前。今、自分が旋盤を買うとすれば、
(手を加えるのを前提で)比較的安いネットショップで売っている機械を買うかもしれない。」

といった主旨の書き込みをしておられました。こういった先人の生の意見って貴重です。

この書き込みを見て、「あ、こういうことなのね」という感覚がなんとなく分かった(気がした)ので、

万が一機械に不具合があっても自分で何とかしてやろう、と腹が決まったわけです。

で、しばらく使ってみての感想ですが、

「改良したい点はあるけれど、十分に使える」

工作機械について使える、使えない、というのは主に精度が出るか出ないかという部分だと思います。

例えばミニチュアのエンジンなどを作ろうと思うと、特にシリンダーとピストンのすり合わせ等、

段違いの精度が要求されると思います。

僕が作りたいのは、当然ながらライトセーバーの模型なわけです。

セーバー製作に精度は必要無い、とは言いませんが、

購入した状態からそれほど手を加えていない状態のこの旋盤でも

仕上げを慎重にやれば、狙った寸法の±0.05mm以内くらいまでは追い込めるので

これで十分だと思っています。



この旋盤を、こんな台に乗せて使っています。

イメージ 2

台は、2×4材と1×4材、それに市販の棚板を組み合わせて作りました。

納品の前日まで時間がとれず、半日で急いで間に合わせたためにちょっと強度不足気味。

そのうちに筋交いでも入れて補強してやろうと思っています。

ちなみに最近、駆動ギヤをネジ切り用としょっちゅう組み替えるので、画像左側についていたカバーは

外しっぱなしです。周りの物の巻き込みだけ注意すれば特に問題ないと思います。

その隣に工具箱を置いてあります。

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この工具箱自体は、もう10年以上前に買った物です。今回の旋盤導入で、久しぶりに日の目を見ました。

ここに写っている中で新たに買った物といえば、一段目の引き出しに入っている

プロトラクター(角度計)とピッチゲージぐらいでしょうか。引き出しはもう一段ありますが、

そこには今はほとんど使わない道具が収めてあります。六角レンチが無駄に多いのが気になります。


測定工具各種。

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なにげに重宝するのが、写真左下の小さい差し金。ちょっとした計測や、バイトと被削物、主軸との

直角、平行を出すのにとても便利で気に入っています。

厳密に直角を出す場合にはスコヤを使った方が良いんでしょうけど。


アナログ式のダイヤルゲージです。ヤフオクで買いました。

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三爪チャックを付け替えた時の振れの測定や、横送り台の上にバイスをセットする時の平行出し等に使います。

一目盛りが0.01mmです。


ドリルやらセンターやら。

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左から、心押し台用ドリルチャック、回転センター、センタードリル(三本)、鉄工用ドリルφ12.5、同φ15です。

セーバーを中空にする時、細いドリルから徐々に穴を開けていって、φ15まで開けてやれば

中ぐりバイトが楽に入ります。ここに写っていない、もっと径の細いドリルは、

ホームセンターでセットで売っていた安物を、間に合わせで使ってます。

ドリル刃も物によって品質が全く違うので、そのうちにヤフオクに安く出ている

NACHIとかのドリルセットを買おうと思っています。バラで買うとめちゃくちゃ高くつくので。


主に使っているバイト各種。

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左から4本は完成バイトから研ぎだした物、その右三本は、鋼材と、一番右に写っているφ3のハイス丸棒を

組み合わせて作った差し込みバイトです。

クイックチェンジ刃物台は便利です。というか無しだとかなり効率が落ちてキツイと思います。

替えのホルダーがもうあと何個か欲しいところです。


ホームセンターで買ったシャコ万力。

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今のところ、セーバーよりも治具を作ったりするときの方が出番が多いです。

これがあるだけでも結構加工の幅が広がると思います。


オイルストーンとダイヤモンドシャープナー。

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これがあれば切削途中でも、ちょっとした研ぎ直しならすぐにできます。

オイルストーンの、もう少し粒度の細かい物が欲しいんですが、なかなか見つかりません。


マシンオイルと切削用オイル。

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左のマシンオイルは主に各部の清掃や、作業後の油引きに使っています。

もうちょい粘度が低くても良いような気がするので、無くなったら次はミシンオイルを使ってみようと思います。

右の切削用オイルは、水で20倍くらいに薄めて使います。水が混ざると途端に真っ白になります。

アルミ材を普通にバイトで削る場合はそれほど効果を感じませんが、

大径のドリルでの穴あけ時、刃物がビビり出したときなんかは効果絶大です。

コーナンプロで買いました。まさかこんな物が置いてあるとは思わなかったのでビックリ。


ケミカル系各種。

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写真にはCRCが写っていますが、研磨剤が入っているため旋盤本体には使いません。

各部の潤滑には、ホワイトグリースを使っています。

今度、ISOLAさんお勧めのモリブデングリースとの比較をしてみようと思っています。

一番右のパーツクリーナーは、各部についた油汚れや、削りあがったパーツの清掃に使います。

強力な脱脂力がある上に勢い良く噴射するので、吹き付けるだけでかなり綺麗になります。

最近は200円くらいで手に入るようになったので、遠慮なくガンガン使えるようになりました。

ちなみに、僕はパーツ塗装前の脱脂の最終仕上げにもこれを使ってます。

揮発が早く、ウエスでふき取る必要が無いので、ホコリが付くリスクを減らせるからです。

ただし、相手がプラやレジンだとひょっとしたら素材に悪影響があるかも知れません。


そして超重要アイテム、参考書として「ミニ旋盤を使いこなす本」+「応用編」です。

イメージ 4

機械工作系のHPやブログを拝見すると、ほとんど必ずと言っていいほど紹介されている本です。

ミニ旋盤の使い方を紹介した、いわばマニュアル本ですが、機械の通り一遍の使い方だけではなく

長い年月の中で職人が考え、見つけ出してきたのであろう貴重な機械加工の知恵が

惜しげもなく詰め込まれています。

そして技術書でありながら、こんなにも著者の人となりがにじみ出してくる本も珍しい。

根っからの工作好きじゃなければ書けない本です。

実はこの本、一年以上前に買ったんですが、それが旋盤購入を決意する、決定打になりました。

一冊が4000円強と、本の値段としては安くは無いかも知れません。

それでも十分すぎるほどに、値段以上の価値がある本だと思います。

初版は20年以上前ですが、未だにこれ以上の参考書として紹介される本が見当たりません。

それほど内容が濃く、完成度の高い本なのです。



と、かなり大雑把でしたが、普段使う頻度が高い道具としてはこんな感じです。

旋盤のアクセサリーとしては、面板や固定振れ止めも買いましたが今のところあまり出番がありません。

旋盤に関しては往復台のガタが気になっていたので、

今日の昼間、往復台の改良を行っていました。(応急処置ではありますが)

それも合わせて書こうと思ってたんですが、やたらと長くなったのでまたの機会にしたいと思います。

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